Q タイミング法とはどのようなものですか?
Q 病院で行うタイミング法とは具体的にどのようなものですか?
A 不妊の6大検査が終わった後に不妊治療が本格的に行われ、代表的な一つの方法として、「タイミング指導」があります。
タイミング指導は、「タイミング法」とも言われており、6大不妊検査後の最初に行われる不妊治療法として知られています。
極めて高齢世代であったり、生殖器官に致命的な疾患があるため妊娠の可能性が低い場合には、タイミング指導を行わず、人工授精や体外受精を行うことがあります。
(画像:荒木重雄 医学書院 不妊治療ガイダンス改定第2版)
タイミング指導を行う期間は6か月
タイミング指導を行う期間は、患者さんの体の状態や病院の方針によって異なることはありますが、一般的には、6か月あるいは6(生理)周期となります。
タイミング指導は、基礎体温表を付けて妊娠の確率が最も高い日を推測し、その日に性交を行うことを目的とします。
排卵日は、基礎体温表でいうところの体温陥落日(最低体温日)が排卵日とされています。
ただし、排卵日には個人差があり、必ずしも体温陥落日が排卵日とは限らないです。
病院で行う排卵日の特定は、経膣超音波検査などを用いて精確に行う
排卵日の特定は、基礎体温表を使えばご自宅でもある程度予測できますが、病院におけるタイミング指導では、さらに精確に排卵日を特定することができます。
排卵日になると、卵胞は直径2cmまで成長し、その後に排卵となります。
卵胞は排卵の数日前から少しずつ大きくなります。
この卵胞が直径2cmに成長する時期を確認する方法として「経膣超音波検査」があります。
経膣超音波検査では、卵胞の成熟度を精確に確認することができ、不妊治療には欠かせない検査法となっています。
頸管粘液の分泌量から排卵日を特定
頸管粘液は、排卵日になると最も分泌量が多くなります。
つまり、頸管粘液が最も分泌するタイミングに合わせて性行を行うことが
重要になります。
超音波検査により卵胞が十分に成熟し、頸管粘液が十分に貯蔵されているタイミングで性行を行うことが最も妊娠する確率が高まるということになります。
男性の精子は女性の体内で1~3日滞在した後に消滅します。
これに対し、卵子は、排卵後、1日で消滅します。
つまり、排卵後の24時間以内に精子が卵子に出会わないと数値上は、受精ができない計算になります。なかには精子の運動率が低く、卵子にたどり着く速度が遅かったりすることもあります。
体温が上昇すると頸管粘液の分泌が急激に減少します。
つまり、高温期に移行する前に性行を行う必要性があるわけです。
タイミング指導では、最適な性行の日を指導してもらえる

タイミング指導では、基礎体温表でおよその排卵日を予測します。
そして、超音波検査で卵胞の成熟度や頸管粘液の貯蔵度を確認し、男女の卵子や精子の運動率などを考慮して、最も適した性行の日をお伝えすることになります。
そのため、ご自分で基礎体温表を作って排卵日を予測するよりも、専門の医療機関でタイミング指導を行った方が、より精確に排卵日を特定できるようになるのです。
参考までに、LHサージと言われる検査法があります。
LHサージを簡単に述べれば「排卵が起きる前兆」を調べる方法です。
卵胞が成熟したタイミング、つまり排卵日の1,2日前に
脳下垂体から排卵の指令が出て排卵が生じるようになります。
その時に、脳下垂体から黄体化ホルモン(LH)が分泌されます。
このLHが大量に放出されることをLHサージと呼びます。
ただし、LHサージは、仕事で通院が不可能などの理由で、超音波検査ができない場合に、使用されることが多く、自宅で検査できる方法になります。
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