hMG-hCG療法とはどのような検査ですか。
Q hMG-hCG療法とはどのような検査なの?副作用、費用についても教えてください。

A hMG-hCGは基本検査、あるいはその後の2次検査で排卵障害が疑われた場合に行われる薬物療法の一つです。
6大検査で異常がなくタイミング療法を行っても妊娠できなかった場合、次のステップとして行われる治療法でもあります(人工授精の前に行われることが多い)。
薬物療法には、クロミフェン療法、hMG-hCG療法があり、いずれの薬物療法も排卵を誘発する作用を促します。
■クロミフェン療法(内服薬)
排卵障害が軽度の時に行われます。
■hMG-hCG療法(注射薬)
症状が重く、クロミフェン療法では効果がほとんど期待できない場合や
性腺刺激ホルモンの分泌が極めて低いときに行われます。
※その他、ドーパミンアゴニスト療法、hMG法があるが、ここでは省きます。
強力な排卵誘発作用がある反面、副作用の恐れもある
hMG-hCG療法は、hMG注射とhCG注射の2種類の注射を用いて排卵を誘発します。
hMG-hCG療法は、クロミフェンよりも強力な作用を促す排卵誘発剤となり、hMG注射とhCG注射は、それぞれ異なる役割を担っています。
■Hmg注射とは
閉経後の女性の尿から抽出した性腺刺激ホルモンを言います。
卵胞ホルモンの分泌を人工的に作り出し、卵胞の成長を短期間で促す作用があります。
■hCG注射とは
黄体を形成する「胎盤」から抽出された性腺刺激ホルモンをいいます。
黄体ホルモンの分泌を人工的に作り出して排卵を誘発します。
hMG-hCG療法を簡単に述べると、hMG注射で卵胞を十分に成長させた後に、
hcg注射で多数の卵胞から排卵を起こすことを言います。
hMG-hCG療法は、人工的に排卵を誘発するため、クロミフェン療法よりも
高い効果が得られることで知られています。
hMG-hCG療法の副作用の恐れと費用について
しかし、自然な形でなく人工的に排卵を誘発するため、体への負担がかかり、OHSS(卵巣過剰刺激症候群)や多胎妊娠の可能性が高まる恐れがあります。
そのため、hMG-hCG療法を行う際は、医師としっかり相談し、患者さんご本人もhMG-hCG療法について理解したうえで治療を行う必要があります。
費用については、hMG-hCG療法は保険適用の範囲内となり、体外受精や顕微授精の全額実費払いとは異なります。
病院によって異なるものの1回あたりのhMG-hCG療法の治療費は数千円~1万円が相場となります。

hMG-hCG療法について
(画像:荒木重雄 医学書院 不妊治療ガイダンス改定第2版)
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