Q 精液検査ではどのようなことがわかるのですか?

Q 精液検査を行うことになりましたが、精液検査ではどのようなことがわかるのですか?また、男性不妊の占める割合はどのくらいになりますか?
A 多くの方は、「不妊は女性の側に問題がある」と思いがちですが、男性の側にある割合は4割と言われています。
中には男性不妊の割合は50%、つまり約半分は男性側に問題があるという報告もありますが、これは「不妊の原因の4割が男性、4割が女性、残りの2割が原因不明」、という理由から男女の割合は同等という考えから出ているのではないかと思われます。
いずれにせよ、不妊の原因の割合は調査する機関によって多少のバラツキはあるものの、男性側にも半数近くの割合で不妊の原因があるということになります。
黄体の役割その1:安定した高温期を保持
黄体の一つ目の役割は、妊娠に不可欠な黄体ホルモンを分泌することです。
代表的な女性ホルモンにエストロゲンとプロゲステロンがありますが、主に基礎体温周期の後半、つまり高温期に分泌するプロゲステロンが黄体ホルモンと言われます。
プロゲステロン(黄体ホルモン)は、体温を高める役割があります。
黄体ホルモンが正常に分泌されることで基礎体温の高温期が安定するようになります。
もし、この黄体ホルモンの分泌が不十分だと、安定した体温を保持できなくなります。
精液検査は、男性不妊の原因を調査する基本的な検査
(一般)精液検査とは、男性不妊の原因を調べる上で最も基本的な検査法です。通常、「一般」をつけずに「精液検査」と言われています。
病院で行う精液検査は、世界保健機関(WHO)が推奨する基準をベースに行います。
男性不妊を解決するには、男性不妊の原因を正しく調べる必要があります。そのため、精液検査は男性不妊の原因を特定するうえで重要な検査方法になります。
精液検査は、精子の量や濃度、運動の様子・形状を調べられる
精液検査では、精子量や濃度、精子の運動率、形態を調べることができます。
精液検査の正常値(WHOの基準、2010年改訂版)
■精液量 1.5ml以上
■精子濃度 1ml中に1500万/ml以上
■精子運動率 動いている精子が40%以上
■総精子数 3900万以上
■精子正常形態率 4%以上
■精子生存率 75%以上
■白血球数 1MLに100万個未満
上記のWHOの基準は、あくまで正常値の基準であり、一つでも下回ると「自然妊娠はできない」と断定できるものでもありません。
いずれかの項目が基準値を下回っても自然妊娠できることはあり、また、精液検査は、検査日の健康状態によって数値が大きく変わり、ストレスなどの精神状態にも影響が現れます。
そのため、精液検査で基準値を下回ったからといって、自然妊娠は絶対無理と思うより、一つの目安として考えた方がよいと思います。
基準値を下回っていることは、体に何か異常を起こしていて、正常の男性よりも自然妊娠できる可能性が低いということも事実です。
精液検査を行う上での注意点
先ほど説明したように、精液検査は健康状態やストレスにより大きく結果が変わってしまうため、複数回の検査を行い、総合的な判定が行われます。
病院によっても検査条件が微妙に変わるので、同一の病院で精液検査を受ける必要があります。
WHOが定めた検査法を行っていないところもあるようですが、心配の場合にはWHOの基準に沿った検査方法を採用している病院を事前に調べておくと無難かもしれません。
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