Q OHSSとはどのような症状ですか?

Q 排卵誘発剤は不妊治療として有効であるが、その中にOHSSと呼ばれる副作用のリスクがあると聞きました。そもそもOHSSとはどのような症状ですか?OHSSにかかりやすい体質のようなものはあるのでしょうか?
A 排卵誘発剤は不妊治療の有効な手段として知られています。特に無排卵症の症状に有効で、妊娠の確率を高める治療法として用いられます。
排卵誘発剤は、薬による力で強制的に排卵を促すため、タイミング法と比べても妊娠の可能性が高まりますが、その反面、副作用のリスクも高まります。
排卵誘発剤による副作用として、最も知られているのがOHSS(卵巣過剰刺激症候群)です。
OHSSは、お腹や卵巣が膨れ上がり、お腹や胸などに水がたまって腫れてくる症状を言います。
OHSSの症状について
OHSSが生じているかどうかについては、ご自分で確認できる場合と、病院でのみ確認できる場合があります。
ご自分でわかる症状としては、「お腹や胸が膨らんでいる」「痛みを感じる」「体調不良が起きている」などで確認することがあります。
病院では、外部に現れる異常な症状はもちろんですが、レントゲンや精密検査による検査のほか、ヘマトクリット値や白血球数からも確認することができます。
【自分で分かる症状】
- お腹が腫れる
- 腹痛および腰痛
- 肥満
- 吐き気、めまい
- お腹が張る
- 頻尿
- 下痢
【病院で分かる症状】
- 卵巣の腫れ・膨らみ
- 腹水(胸水)
- ヘマトクリット値の異常値
- 低血圧
- 白血球数の異常値
OHSSにかかりやすい体質
OHSSにかかりやすい体質は次の通りです。
- やせ形
- 卵巣の働きが活発な比較的若い世代
- 卵巣に多数の卵胞が存在している
- エストラジオールの値が高い
OHSSの症状が重くなると、血液循環にも悪影響を与え、その他の疾患を誘発する恐れがあります。そのため、特にOHSSの発症率が高いHCGのような誘発剤を使わない医療機関もあります。
妊娠を強く望む患者さんにとっては、リスクを恐れては妊娠できないという現実もあります。
排卵誘発剤の使用は、お医者さんはもちろんですが、患者さんにとってもしっかり理解し、慎重に行う必要があります。
不妊治療にはリスクが伴います。どのようなリスクがあるかについては
その都度先生からお話があり、患者さんの同意を頂いてから行われます。

OHSSについて
(画像:荒木重雄 医学書院 不妊施術ガイダンス改定第2版)
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