Q 精子先体反応検査とはどのような検査ですか?

A 不妊治療で最初に行われる検査が6大基本検査です。
この6大基本検査の一つに精液検査があります。
精液検査では、精液の濃度、運動率、奇形率、白血球数を調査し、精液に異常がないかを確認することになります。
精液検査で異常がなければ、人工授精や薬物療法などの不妊治療が行われますが、それでもなかなか妊娠できないことがあります。
女性の側に問題が見られず、男性の精液検査でも異常が見られないにも関わらず、なかなか妊娠が実現しない場合、不妊の原因をさらに詳しく調べるために行われるのが精子先体反応検査になります。

先体反応
(画像:荒木重雄 医学書院 不妊治療ガイダンス改定第2版)
アクロシンの濃度が正常であるかを測定
精子が卵子に到達するには卵子の周りを覆っている透明帯と呼ばれる層を
通過する必要があります。
この透明帯を精子が通過するときに精子の頭部からアクロシンと呼ばれる酵素を分泌するようになります。この酵素の分泌作用により精子は透明帯を通過できるようになり、この現象を先体反応と呼んでいます。
もし、アクロシンと呼ばれる酵素の濃度が低いと、精子は透明帯を通過できず、卵との受精に障害を生じ、不妊症を生じることになります。
精子先体反応検査は、精子頭部にあるアクロシン濃度が正常値を満たしているかどうかを測定する検査になります。
アクロビーズテストについて
また、アクロビーズテストと呼ばれる検査も精子先体反応検査の一つです。
アクロビーズテストでは、「MH61」と言われるビーズを精子と共に培養させ、精子とMH61ビーズが結合するかどうかを観察します。
アクロビーズテストで結合率が高い場合は、体外受精における受精率も高くなる傾向があると言われています。
逆にアクロビーズテストでの結合率が低い場合には、受精障害が疑われるようになります。
このように先体反応は、受精に必須の条件であると言っても過言ではと言えます。
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