Q ヒューナーテストとはどのような検査を行うのですか?
Q ヒューナーテストとはどのような検査を行うのですか?不妊検査で必ず行うものなのですか?

A ヒューナーテストは、「性交後テスト」あるいは「フーナーテスト」とも呼ばれることがあります。
ヒューナーテストを実施するタイミングは、まず、検査予定の日の早朝、もしくは前日の夜に性交を行います。そして、数時間以内に来院して検査を行い、子宮頸管内に存在する精子の形状や進入(運動)の様子を確認することになります。
精子の質が悪いほど妊娠の確率はぐんと下がります。また、どんなに元気がよく質のよい精子が膣内に入ったとしても子宮卵管が塞がれて子宮膣まで精子が辿りつくことができなければ受精することはありません。
ヒューナーテストは質のよい精子がきちんと子宮膣まで届くかを確認する検査方法になります。
ヒューナーテストは不妊検査の中で初期段階に行われ、不妊6大検査の一つとして知られています。
ヒューナーテストって具体的にどのような検査をするの?
ヒューナーテストは、子宮頸管内に存在する粘液を採取して、精子の数や精子の運動状態を調べます。検査する内容としては病院によって多少違いはありますが、主に、下記の内容を検査することになります。
◆子宮頸管内に存在する精子の数
精子濃度が基準値を満たしているかを検査します。良質な精子が基準値以上であれば合格となります
◆精子の質と運動状態
精子の質が良好であるか、あるいは精子の動きが元気であるかを確認します。
◆精子の形状に異常は起きていないか
精子が正常な形をしているかを確認します。精子の形状が悪いと 頸管粘液中に入ることが困難になります。
ヒューナーテストの検査結果から妊娠の可能性を確実に断定することはできませんが、良質で多数の運動性精子が確認できた場合には、妊娠の確率が高いと判断されます。
ヒューナーテストで不合格と判定する事例
ここで、ヒューナーテストで不合格と判定されるケースを、以下にまとめてみます。
男性側の要因
◆精子が少ない
◆運動率が低い
女性側の要因
◆頸管粘液不全
◆頸管粘液が酸性状態である
◆抗精子抗体が造成されている

(画像:荒木重雄 医学書院 不妊治療ガイダンス改定第2版)
ヒューナーテストの判定基準
ヒューナーテストにおける判定方法は顕微鏡を使って確認することになります。
具体的に言えば、顕微鏡の倍率を400倍視野にセットしたときの運動精子数で判定することになります。
ヒューナーテストの判定基準表
判定 | 運動精子数 | 内容 |
---|---|---|
優 | 15個以上 | 妊娠率が優位に高い |
良 | 10~14個 | 妊娠は十分に期待できる |
可 | 5~9個 | 妊娠は十分に期待できる |
不良 | 4個以下 | 妊娠率は優位に低い |
なお、ヒューナーテストで多数の精子を確認できても、運動率の低い精子や形状の悪い精子が多数存在する場合、抗精子抗体の疑いがあり、再検査が必要になります。
※抗精子抗体について
通常の体の状態であれば、精子と卵子が出会って受精することになります。
しかし、近年、体内に入った精子を外敵と認識して排除してしまうことがあります。
このように精子を排除する抗体を抗精子抗体といいます。抗精子抗体は不妊の原因と言われ、抗精子抗体の不妊の原因に占める割合が3%を超えました。
現時点では、抗精子抗体がなぜ作られるかについては、解明されていません。
ヒューナーテストは病院によって正反対の診断をされるケースがある
ヒューナーテストは、男性が一般精液検査(6大不妊検査の一つ)を嫌って
拒絶されたときに行われるケースもあります。
ヒューナーテストを複数回行っても合格しない場合には、次の人工授精の
ステップに進むことになります。
しかし近年、ヒューナーテストの結果はそれほど重要視しなくてもよいと
コメントする専門医も出てきております。
ヒューナーテストの欠点は、顕微鏡を使って確認する検査のため再現性が低く、医療機関によってまったく異なる診断結果が出ることがあります。
例えば、ある医療機関ではヒューナーテストで「運動精子がまったく見当たらなかった」という不合格の判定が出ても、他の医療機関で検査したらまったく問題なしという判定される事例がしばしば起きています。
ヒューナーテストでたとえ不合格という判定が出ても、再検査を申し出て
みることも事前に知っておくとよいでしょう。
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