Q ハムスターテストはどのようなことを行うのですか?

Q 精子の検査方法としてハムスターテストという検査法があると聞きましたが、どのようなことを行うのですか?
A ハムスターテストは、男性の精子機能を調査するテストです。一般精液検査で異常がないにも関わらず、不妊が長期化し、女性の側に問題がない場合に行われることがあります。
精液検査よりもさらに詳しく精子の状態を調べることができ、精子先体反応検査と合わせ、男性不妊を調べる特殊な検査法の一つと言えます。

ハムスターテスト
(画像:荒木重雄 医学書院 不妊治療ガイダンス改定第2版)
ハムスターテストの判定方法
ハムスターテストは、文字通り、ハムスターの卵を用いて、「精子の侵入検査」を行うことになります。
まず、卵の周りを覆っている透明帯を除去します。
卵の透明帯は、多数の精子を同時に受精することを防止するだけでなく、他種の精子の侵入を防ぐ役割があります。
もし、この透明帯が存在すると「人の精子」の通過を阻害する要因になるため、この透明帯を除去する必要があります。
そして、この透明帯を除去したハムスターの卵と人の精子と接触させ、精子が卵内に侵入する能力があるかどうかを検査します。
ハムスターテストの結果が陽性であった場合は、精子は卵との結合が可能であることを意味します。
ハムスターテストの判定基準は、「15%以上の精子の侵入があるかどうか」です。精子の侵入が15%以上であった場合は、正常(陽性)とみなされます。
また、ハムスターテストは、その検査結果により、人工授精、体外受精、顕微授精のどれが適しているかの判定材料の一つにもなっています。
ただ、ハムスターテストは医療機関の施設によって基準値が異なり、精確さに多少の問題があるとも言われています。
人間と動物との検査ということもあり、現在、バムスターテストはあまり行われなくなっているようです。
カルシウムイオノフォアによる検査法ついて
なお、参考までですが、ハムスターテストのように精子の侵入度を検査する方法として、精子をカルシウムイオノフォアで事前処理を行い、先体反応を強制的に起こさせる方法があります。
「イオノフォア」とは「取り込む」という意味があります。
つまり、「カルシウムイオノフォア」とは、「カルシウムを取り込む素材」
ということになります。
これは、卵の中に含まれるカルシウムイオン濃度が、「カルシウムイオノフォア」の影響で一時的に増えることで、卵の活性化が促進されるようになります。
カルシウムイオノフォアは比較的簡単に行うことができ、卵の活性化を促す方法として使われています。
この記事に関する関連記事
- 卵胞発育の段階と排卵障害
- 卵の補足障害における不妊症
- 精子先体反応検査について
- 一般不妊治療の妊娠確率について
- 男性不妊の割合と原因について
- 子宮内膜症について
- PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)について
- 精液検査について
- 黄体機能不全と着床障害について
- 腹腔鏡検査について
- 受精障害の原因とメカニズムについて
- 受精障害と自然妊娠の可能性
- 一般不妊治療の妊娠確率について
- OHSS(卵巣過剰刺激症候群)の副作用
- hMG-hCG療法について
- 性腺刺激ホルモン検査・卵巣性ホルモン検査
- 子宮内膜検査と血中ホルモン検査について
- 機能性不妊と原因不明不妊について
- ヒューナーテストについて
- 子宮卵管造影について
- 経腟超音波診断法(検査法)について
- 頸管粘液検査について
- クロミフェン療法について
- タイミング指導について
- 西洋医学と東洋医学の併用施術について
- 病院・接骨院で行う鍼灸効果について
- 不妊専門の鍼灸院と安い鍼灸院の併用について
- 不妊施術の手順について
- 不妊の6大基本検査の必要性
- 鍼の効果が効いている時間と通院期間の目安
- 鍼灸で基礎体温を整える
- 漢方や鍼灸で基礎体温を整える
- 漢方薬が合わない場合の対処法
- 冷え体質に鍼は有効?
- 鍼と整体のどちらが効くの?
- 鍼灸院に通う頻度
- 妊娠初期・中期・後期における鍼灸施術
- 妊娠前鍼灸の勧め
- 不妊の鍼灸施術における即効性・通院期間の目安
- 上手な鍼灸院の選び方
- 鍼灸の歴史と鍼灸が有効な不妊の種類
- 東洋医療と西洋医療の不妊
- 体外受精と鍼灸の併用について
- 不妊に鍼灸はなぜ効くの?
- 不妊施術を一度も受けたことがない方へ
- 不妊鍼灸の施術について
お電話ありがとうございます、
すずらん鍼灸院でございます。