Q 病院はどのように不妊の原因を診断するのですか?
Q 病院はどのようにして不妊の原因を診断するのですか?また、その検査方法とは どのようなものがあるかを教えてください
1年以上も不妊治療を受けていながら、必要な検査を受けていない例もある

A 不妊治療は、不妊の原因を具体的に特定し、その原因に合った治療を行う必要があります。
もし、原因を正しく特定できていなければ、早期妊娠どころかいつまで経っても不妊治療を続ける恐れすらあります。
通常、不妊治療を行う前に、基本的な検査を行うことになりますが、1年以上不妊治療を行っていても、必要な検査を行っていないケースも稀にあるのです。
もちろん、先生を信頼することも大切ですが、不妊治療を受ける患者さんとしても検査の方法やその意義など、不妊治療の最低限の知識を知っておく必要があります。
不妊の原因を調べる方法として6大基本検査がある
不妊治療を行っている医療機関では、通常、6大基本検査と言われる
検査を実施することになります。
6大基本検査は一度の診察で行うことはありません。
通常、数週間から1か月かけて順序立てて進めていくことになります。
不妊の6大基本検査を説明した表が次になります。
6大基本検査の一覧表
No. | 検査法 | 内容 |
---|---|---|
1 | 基礎体温 | 朝、目覚めたときに体温を測定し、グラフに表記し、 生理周期の状態を確認 |
2 | 精液検査 | 精液の濃度、運動率、奇形率、白血球数を調査 |
3 | 頸管粘液検査 | 排卵日が近づいた頃に実施。エストロゲンに反応させて子宮頸管腺が分泌する粘液の状態を調査 |
4 | ヒューナーテスト | 性交後テストとも呼ばれる。排卵日の数日前の早朝に性交し、来院後に頸管粘液を採取して精子の量や状態を調 |
5 | 子宮卵管造詣影 | 子宮精液の入口から造影剤を入れ、子宮の状態や卵管の通過性様子を確認 |
6 | 経腟超音波診断 | 膣内に超音波断層装置のプローブを入れ、子宮や卵巣の状態をモニターに映し出す検査。子宮疾患が起きていないかを確認できる。 |
6大基本検査を行わなければならない理由とは

通常、これらの6大基本検査により、不妊症の原因を特定します。
ただし、6大検査で原因を特定し、診断された内容が必ずしも原因を確実に断定できるものではありません。
わかりやすく言えば、「不妊の原因は●●の可能性が高い」というあくまでも可能性が高いという診断になり、「●●が、間違いなく不妊の原因である」と100%断定したものではないということです。
原因が一つでなく複数の要因が存在することを診断されることもあります。
しかし、不妊の原因がぐっと絞られることで、その原因に合わせた具体的な不妊治療が行われることになります。
いずれにせよ、不妊治療を行う際には、検査を受ける患者さんとしても
「検査の内容」
「なぜその検査が必要なのか」
をしっかり把握したうえで行うことが望ましいです。
受け身の気持ちで先生にすべてを委ねて言われたままの治療を受けていたのではあまりよい結果は得られません。
これを機に「不妊の6大基本検査」をしっかり把握しておきましょう。
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