一般不妊治療の妊娠確率について

Q 一般不妊治療の妊娠確率はどのくらいですか?

Q 結婚してまもなく2年経ちます。でも未だ子宝に恵まれず、専門のクリニックで不妊治療を検討しています。もちろん、今まで不妊治療を受けたことがなく、今回初めてで、わからないことだらけです。そもそも、(一般)不妊治療を行って妊娠できる確率ってどのくらいですか?

 

 今回のご質問は「不妊治療を行った方の妊娠確率」ということですが、不妊治療は大きく分けて2つに分類できます。

一つは「一般不妊治療」で、もう一つが「高度生殖医療」です。一般不妊治療は保険が適用される不妊治療でタイミング法、人工授精があります。

高度生殖医療は保険が適用されず、体外受精、顕微授精があります。
今回は、初めての不妊治療ということで「一般不妊治療における妊娠の確率」としてお応えいたします。

不妊治療において2年以内に妊娠できる確率は40%強

一般不妊治療における妊娠の確率を公表している医療機関もあれば公表していない医療機関もあります。
そのため、正しい数値をずばりいうことは不可能ですがある専門書によれば、次のような詳しい興味深い調査結果が示されていました。

それによれば、2年以内に妊娠できた確率は43%となっております。

一般不妊治療で2年以内に得られる妊娠率
(画像:荒木重雄 医学書院 不妊治療ガイダンス改定第2版)

 

もう少し詳しく述べると半年以内に19%、1年以内に30%、1年半以内に36%、2年以内に43%が妊娠したという結果になっています。

一般不妊治療により得られる累積妊娠率
(画像:荒木重雄 医学書院 不妊治療ガイダンス改定第2版)

 

医療機関によって、妊娠の確率にばらつきはありますが、若い方や初めて不妊治療を受ける方の多い医療機関では、妊娠する確率が高まる傾向にあり、50%を超えるところもあるそうです。

2年を超えると妊娠の確率に変化が見られなくなる

ここで上図から興味深いことにお気づきになられた方もいるかと思います。

上図を見ると2年(24か月)で妊娠確率が43%ですが、2年半年(30か月)では、妊娠確率にほとんど変化は見られません。

さらに3年(36か月)ではわずかに妊娠確率が上がっているのみです。

つまり、2年経過して一般不妊治療を行っても妊娠できる例はごくわずかになり、約90%が2年以内に妊娠を実現しています。

これを考えるに、一般不妊治療を行う目安はやはり2年になります。
2年間の不妊治療で妊娠できない場合に、高度生殖医療を勧められるのには、こういった背景があります。

あまりに高齢であったり、重度な排卵障害や無精子症のように、明らかに通常の不妊治療では妊娠が不可能という場合は、2年を待たず、高度生殖医療を勧められることもあります。

不妊鍼灸について詳しくはこちら

この記事に関する関連記事

すずらん鍼灸院